2014年11月24日月曜日

妄想の果てに



 

伊東 村正丸
釣果 カイワリ3匹 小サバ多数

 

釣行を予定する場合、先ず種目を決め、而して場所や船宿を決める、というのが普通だと思いますが、私の場合は往々にして場所から入ります。
今回行く東伊豆への予定に合わせてあれこれとリサーチし決めたのは、村正丸カイワリ五目に決めました。
五目釣りというのは、いろんな魚が釣れますということで、その語感には何とも魅力的な響きがあります。
(実は過去にあまりいい思いをしたことがないのですが)

事前リサーチによると、初島界隈から伊東沖はカイワリの魚影が濃いらしくボートでも釣れるんだそうです。
予約の際に道具立て確認したところ、ハリスの長さを除けばほぼマダイの道具立てと同じで、竿は好き好きだが柔い竿の人が多いということ、ハリスは3号6mで針はチヌなら4号ぐらい、マダイ針なら7号8号ぐらい、ビシはコマセパラパラが具合がいいのでステン缶がお勧め、コマセはオキアミを支給付けエサは持参ということでした。
五目の中にはマダイも結構な確率で入るとか。
YouTube つりニュースの動画ではダイワの松永さんが、ハリス6m、針は上2本ウィリー針の3本針でカイワリを一荷で釣り上げていました。
なるほど、なるほど。

で、立てた作戦は
1.松永さんお勧めのウィリー仕掛け持っていく
2.ムツ針試したいのでムツ14号で針に塗料塗ってカラー針仕様で持っていく(下ケイムラ、中緑夜光、上青夜光)
3.チヌ4号2本針のスタンダード仕様も持っていく
4.アオイソメを試す。もちろんオキアミも持参する。(その他、使いませんでしたが、ガルプと漢を持っていきました)

作戦立案時には、カイワリは沢山釣れそうだけど10匹も釣れれば十分。なので仕掛けをいろいろ試す。取りあえず現在進行形で実験しているムツ針の使い勝手とアオイソメの効果を確認する。マダイも釣れるみたいだけど1kg前後のサイズみたいだからあまり意識しなくて大丈夫かな?後、何がつれるかな?イトヨリとかアマダイとか釣れたら楽し過ぎ!なんて相当に妄想していました。
集合時間5時半に船が接岸し受付が始まります。村正丸は予約順で座席を選ぶシステムで、私は左胴真ん中でした。この日は釣り人10名でしたが船が大きいので釣り座的には楽々でした。各席にはロッドキーパー(ラーク16号)が備えてあり親切です。ただし、ロッドホルダーのクランプ径が太いので細径のロッドを持っていく場合にはゴム枠などで調整が必要です。
6時ごろ、準備を始める間に船は出発、最初の場所までは20分弱ぐらいで到着しました。船長アナウンスによると竿入れは6時半からということで、それまでの間10分程度ですが待って、いよいよ釣り開始となりました。
「底まで落としてから3m位切って、コマセを振出しながら10で棚を取って」という指示に従います。事前リサーチのイメージでは底は精々40〜50m位と思っていましたが最初の釣り場は90mぐらいでした。

水深が深くなればなるほどコマセ打ち返しなどの手返しは遅くなるので、仕掛けなどにもより確実性が求められることになります。例えば、針についていうと絶対に回らないことと、エサがキッチリと付いていることが要件となり、色々やっていくと結局シンプル イズ ベストということになります。

そういえば「シンプル イズ ベスト」ってコマーシャルが昔ありました。確かアパレルのコマーシャルで高倉健さんが呟いていました。

で、初回投入で作戦ミスが判明しました。ウィリー針というのは針にウィリー糸というのをグルグル巻きにしてエビ?のようなボリューム感を出した擬餌針ですが、その時点で水のなかで回り易い仕様になっています。アオイソメもそうです。アオイソメのクネクネ動きに期待するなら多少大き目に針につけてやる必要がありますが、これもその時点で回り易い仕様となっています。この結果エダスがハリスに絡みついてしまいます。この状態で針にかかるのは某船長によるとウマかフグだけだそうです。で、仕掛けを上げるとお約束されたようにエダスがグルグル状態。
エダスの出し方も良くありませんでした。マダイなどの時はきちんと3方編込みをするのですが、今回は「小物、小物」と思い8字簡単結びで終わらせてしまいました。強度もありますが、接続場所のエダスの張りを保つためにも、きちんと編込むべきでした。


ウィリー仕掛けはダメということで、作戦3.に変更しようと道具箱を探したらとんでもないことになっていました。オキアミ解凍用網と仕掛けがグジャグジャに。仲がいいね〜。
作戦3.実行不能ということで作戦1.を継続しますが、早くもこの辺から気分は下降気味でした。


しかし、神様は見捨てませんでした。
・・・・・・、というか神様にイタズラされただけかもしれませんが。
暫くしてからのことでした。コマセ振って棚まで上げて置き竿にして待っていると、リールから糸がシューっと出ていくではありませんか。
(おっ!)竿を抱え気持ち煽って聞いてみるとガンガンって竿先が入り(ヨッシャー!)
船長「タイだ、タイ。大きそうだよ!慎重に!」
(分かってるってば!)

 

と、ここまでは良かったのですが、リールのドラグ調整の不安(ちょっとゆるすぎた?)が一瞬よぎり、思わずリールのスプールに親指をかけて竿先を上げた瞬間、 
オー、ノー! ノーテンション! 
チーン。
魚掛かったときにスプールに手掛けちゃいけませんよね。何でそんなことしたかって? そりゃ〜、下手だからですよ。フン。
でもね、ちょっとだけ言い訳すると、「タイがまわってきてもどうせ小物小物。ならばリールはポラリス君でいいか。」で、ポラリスをチョイスしました。ドラグは結構気にして調整する方で、この時も一応調整して船の揺れでズルっといくぐらいにしていたつもりなんですが、魚が掛かって糸が出て行った瞬間「あれっ 緩すぎたか」と思ってしまったのです。

このリール普通に使う分には私的には全然問題ないのですが、ドラグ機能は高いリールと比べて見劣りします。ドラグを回して調整できる幅が狭いのでちょっと締めるとすぐきつくなり逆に回すとすぐ緩くなり、アジャストが難しいのです。なので魚が掛かってからの調整は相当に難しいのです。
それで思わず親指が出てしまったのですが、まあハリス切られたことを考えれば、だまって走るだけ走らせてそれで外れたらそれで良しとするほうが良かったです。小ダイとかハナダイとかのイメージの予断を持っていたことも一瞬の判断、動作を誤らせた一因だと思います。
そういうこと全部ひっくるめてヘタっていうんでしょうけど。


 

という訳で今回の釣りはこの時点でほぼ終了でした。
その後60m立ちの浅場に移動して、カイワリを3枚上げましたが、船全体からみるとスソの方(船宿情報2〜13)でした。
棚取りは一部根のきついところは上から棚取りの指示でしたがそれ以外は下に落として〇mです。
最初の深場は10mでしたが、後は8m、9mでした。サバが回っていると下げる、潮が動くと上げる(というか、糸を延ばす)という感じです。

釣れたカイワリはカラームツ針で釣りました。チヌ針系ほどきれいにはなりませんが、ムツ針でもオキアミは刺せますので、浅い場所なら作戦2.はありということになるでしょう。
ただし、サバには弱いです。今日は五目釣りですから外道とは言わないんでしょうけど、小サバにかなり邪魔されました。
こういう場合にも「シンプル イズ ベスト」です。

今回の作戦もそうですが、私のやっている実験の多くは先達がいろいろと試行錯誤して捨てられていったアイデアに含まれているのだと思います。そして結局、今通用している仕掛けや釣り方があるのだということでしょう。
でも、やってみてわかること、やってみなければわからないことは沢山ありますし、何より趣味嗜好の世界ですから、人に迷惑かけない範囲でこれからも色々とやってみたいと思います。

カイワリは小型魚種の中では、本当に美味しい魚のひとつだと思います。
数は釣れませんでしたが、忘れかけていたその美味しさをまた味わうことが出来ました。
房州洲崎のカイワリ船もそろそろシーズンイン。次は正月かな?


 


 


 

2 件のコメント:

  1. 満留和さん マダイかかったのですか~う~~ん残念!!
    ただ、バラシは釣りにつきものですから、早く忘れて切り替え!(^^)!
    そんでもってカイワリ釣れて、まずまずだと思いますよ。
    ”バラした魚は、いずれ大きくなって戻ってくる”ねっ 名言でしょ!!

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    1. 汐留さんコメありがとうございます。
      >、早く忘れて切り替え!(^^)!
      おっしゃるとおり。反省は反省として、後は前向きに考えます。

      前向きになって、さて次回は何処にとまた妄想を始めます。

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